月下の誓約
「寝言かよ……」
和成は一気に脱力して、寝台の上に上半身を投げ出した。
投げ出された和成の左手を紗也が両手で捕まえる。
それを少し自分の方へ引き寄せて嬉しそうに笑った。
その様子を見て和成は少し笑みをこぼす。
諦めて寝台の横に座り、左手を紗也に預けたまま右手を枕にそのままそこで眠る事にした。
「いったい、どんな夢見てるんだか……」
幸せそうな紗也の寝顔を見ていると、自分もなんだか幸せな気分になって、いつのまにかうとうとと眠りに落ちていた。