月下の誓約


 司令所の外には夕闇がせまっていた。

 馬は全部出払っている。
 そのため徒歩で捜索しなければならない。
 和成は門へ向かってひた走る。
 門の手前では右近が待ち構えていた。

 情報処理部隊長から砦の警備隊長経由で右近に話が伝わっている。
 警備部隊で紗也の容姿をはっきりと判別できるのは、間近で話をした右近だけだ。

 入れ違いで紗也が帰ってきた時のために、右近を見張りに立てて、和成は門を駆け抜けていった。

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