月下の誓約
「ですが、和成殿も色々あってお疲れでしょう? 少し休まれた方が……」
「確かに色々あったけどね。だから眠れないんだ」
和成がそう言って苦笑すると、慎平は背中を丸めてしゅんとなった。
「すみません」
大きな慎平が背中を丸めている姿は、落胆ぶりも倍増して見える。
和成は思わずクスリと笑った。
「じゃあ、少し話そう。座って」
「はい」
和成が勧めた目の前に椅子に、慎平は嬉しそうに笑って腰をおろした。
先ほど慎平が口にした事が、社交辞令にしても気になって、和成は尋ねた。
「どうして私の隣にいたのが光栄なの?」