True Love
昼休み。


「うわぁ!高野の弁当美味そー!」

「これ、未来の手作り」

「えっ!?マジ!?」

笹本くんの驚きの声に、私は少し照れながら頷いた。

私達はまた四人で集まり、屋上でご飯を食べていた。


「ほんと高野さん、料理上手だね」

「ありがとう町田くん」

「未来は料理得意だもんね!めっちゃ美味しいもん」

「得意ってわけじゃ…作ってるうちに慣れただけだよ」

町田くんと千晶ちゃんの言葉にますます照れてしまう。


「高野が毎日作ってるの?」

「うん。家はお父さんと二人暮らしだから、料理は私がやってて…」

お父さんとお母さんは、私が小さい頃に離婚している。離婚の原因は、お母さんの浮気。男をつくって出て行ってしまった。

正直、お母さんの記憶はほとんどない。写真は残っているけど、どんな性格だったかとか、詳しいことは覚えていない。

だけど、寂しいとは思わなかった。私にはお父さんがいる。

お父さんはいつも仕事で帰りが遅いから、家では一人で過ごすことが多いけど、私はお父さんが大好き。

たった一人の、私の大切な家族だから。
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