True Love
柔らかい春の風に、心も自然と前を向く。

弾むような足取りで、私達は通いなれたいつもの校舎へと足を踏み入れた。


「えっと下駄箱は…あ、そっか。場所変わってるんだった」

「だね。新しい場所は…」

「んー…」

キョロキョロと視線を巡らせながら足を進める千晶ちゃん。


私はあっち側を見てみようかな…?

千晶ちゃんとは反対側へと歩き出す。


「2-A、2-A…」

自然と独り言を呟きながら探していると。


「君も2-A?」

後ろから聞こえた声に、瞬間的に振り返る。


…あ、この人。
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