True Love
恥ずかしい…離してほしい。
そう思うのに、身動き一つとれない。

佐野くんの腕の中、とてもあったかい…。

見た目細いように見えるのに、抱き締められると、凄くしっかりした体つきだとわかる。

ちゃんと、男の子だ…。

そんなことを思っていたら、恥ずかしくてたまらなくなってきた。


「あの、佐野くん…」

「何?」

「離…」

「まだダーメ」

「…っ」

いつ離してくれるの…?

だけど、イヤじゃない。
イヤではなくて…。
ただ、恥ずかしいだけ。

最初はバクバクと暴れていた心臓。だけど今は…トクトクと緩やか。

香水の良い香りに、ますます気分が甘くなる。

このまま溶けてしまいそう…。



佐野くんのことが、大好き…。
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