True Love
放課後。


私はまた掃除当番で図書室に来ていた。

箒を手に取り、床を掃き始める。

他の掃除当番の人はきっと今日も来ない。

…佐野くんだって、今日は来ないだろう。

昨日は暇だったから来ただけみたいだし。

だけど、ほんの少しだけ…もしかしたら、なんて…淡い期待を抱いてしまう。


昨日のことを千晶ちゃんに話したら、よかったね!と言ってくれた。

頭を撫でられたこととか、抱き締められたことも、恥ずかしかったけど、話してしまった。

その事については、チャラい、軽い、やっぱり佐野ってそういう奴なんだ、って言っていたけど。

それに…危険だから気を付けなって。


慣れてるから、簡単にあんなことができるのだろう。

それは、最初からわかっていた。


それでも、私は佐野くんが好き…。

この気持ちには嘘がつけないし、これからもずっと変わらない自信があった。
< 45 / 119 >

この作品をシェア

pagetop