True Love
「ケーキとかクッキーとか、甘いもの全般好きなんだよね」

「そうなんだ」

パラパラと本のページをめくる佐野くん。

佐野くんは甘いもの好き…。
意外な一面。小さな秘密を知れたみたいで、なんだか嬉しくなった。


「高野さんは、好き?」

ドキンと胸が大きく跳ねる。

じっと私の目を見つめる佐野くん。

何もかも見透かすような瞳に、体中が熱くなる。

佐野くんが言った好きは、甘いものが好きかって意味だってわかるけど…。

好きって言葉だけがクローズアップされて…。


「す、好き…」

変に意識してしまって、佐野くんの目が見れない。


「もう一回言って」

「え?」

「好きって言って」

「…っ」

耳元で甘く囁かれ、ピクリと体が反応する。


「ちゃんと俺の目を見て」

そんなの、無理だよ…。
佐野くんはズルイ。
こうやって何人の女の子を虜にしてきたのだろう。
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