True Love


「龍、怖い」

「だってこいつボーッとしてるから」

そうだ。思い出した。
立川龍(たちかわりゅう)くんだ。


「あの…私も今探し中で」

「…なんだよ、役にたたねーな」

そう言って立川くんは、ワックスでセットしたツンツンの黒髪をダルそうにいじった。


「すみません…」

どうしよう…なんか気まずい。

大体にして、二人と話したのは今が初めてだ。

緊張もあり、私は自然と俯いてしまう。


すると、

「未来ー!あったよぉ!」

千晶ちゃんの声に、バッと顔を上げる。

タイミングよく千晶ちゃんが戻ってきてくれた。

よかった…。

ホッとして安堵のため息がもれる。


「…って、三人?」

訳がわからないという様子で戻って来た千晶ちゃんが呟く。
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