True Love


「あっちか。じゃあ行こうぜ、つかさ」

立川くんはそう言うと、こちらを見向きもせず歩き出した。


「ありがとう」

「えっ…」

歩き出す前に、佐野くんがお礼を言った。

その笑顔に私の心臓はまたドキリと反応してしまう。

なに…?この感じ。
なんで私こんなドキドキして…。

内心戸惑いながら、私は下駄箱へ向かう佐野くんの後ろ姿を黙って見つめていた。


「ちょっと!なんで佐野といたの!?」

佐野くんが見えなくなると、勢いよく千晶ちゃんが話しだす。


「え…?あ、えっとね…」

おさまらないドキドキを抱えたまま、私はいきさつを千晶ちゃんに説明する。
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