True Love
図書室の掃除当番も終わり、佐野くんとの接点がなくなった。

今日もいつも通り、女の子と楽しそうに会話をしている佐野くん。

ついこの前までは、二人きりの時間を過ごせていたのに。

全部が夢みたいで…悲しくなる。


また、何も話せず見てるだけの日々が続くんだろうな…。

話しかける勇気なんて…ないから。


ふと掃除最終日の日のことを思い出す。

あの女の子とは、帰り道、二人でどんな会話をしたのだろう。

真っ直ぐ家に帰ったのかな?
それとも、どこかへ寄り道?


……………。


そんなことを考えていたら、気持ちが沈んできた。

…あの子との先約がなければ、佐野くんと一緒に帰れたかもしれない。

なんてね…。
こんなこと思ったって、もう戻れないし、どうしようもない。


チラリと佐野くんに目を向ける。

楽しそうな笑顔に、私はまた溜め息をついた。
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