True Love
「なるほどね〜。そういうことだったんだ。ビックリしたよー!だってあの佐野と一緒にいるんだもん!…あ、あとついでに立川も」
教室へ向かう廊下を歩きながら、千晶ちゃんが興奮気味に言う。
「私も…驚いちゃった。初めて佐野くんと話した」
「ねぇー。やっぱり間近で見ると更にカッコイイね」
「うん…」
そう。佐野くんはカッコイイ。
それは、誰が見ても認めるくらいに。
…と、その時、楽しそうな女子の声が耳に入った。
「早く教室行こー!佐野と同じクラスになれたなんて超ラッキー!」
「ほんと楽しみー!」
私と千晶ちゃんを追い越して足早に歩くその子たちは、あっという間に教室の中へと入って行った。
…やっぱり、佐野くんは人気だな。