True Love
「うわっ、すげぇ美味そう!いただきまーす!」
笹本くんは満面の笑みでそう言うと、出来上がったロールケーキを頬張った。
「うまっ!さすが高野ー!天才!」
「ありがと…でもこれはみんなで作ったものだから、みんなのおかげだよ」
「いやいや、ほとんど高野が作ったようなものだし!高野ありがとう!」
なんだかとても照れくさくて、私は照れ笑いを浮かべた。
「ほんと美味しいねー!」
千晶ちゃんの言葉に、町田くんも頷く。
「俺が頑張ったおかげだな」
「はぁ?あんた何にもしてないじゃん」
立川くんと千晶ちゃんの会話に、思わず笑ってしまう。
すると、
「高野さん」
隣に座る佐野くんに声をかけられ、胸がドキリと鳴る。
「ほんと凄く美味しいよ。さすが高野さん」
「ありがとう…上手くできて良かったよね」
ダメだ…さっきのことを思い出してしまって、佐野くんの顔を…まともに見れない。
でも、佐野くんに褒められちゃった。嬉しいな…。
照れをごまかすように、私はロールケーキを一口食べた。甘さが口全体に広がる。