True Love
「美味しい?」

「うん…美味しい」

佐野くんに顔を覗きこまれ、頬がぽっと熱くなる。


そのままじっと見つめられ…ますます頬が熱い。


…っ。

佐野くんの視線にたえきれず、恥ずかしくて顔を背けようとすると…

「動かないで」

「えっ…」

佐野くんの言葉に、ピタリと動きが止まる。

…と、佐野くんの指がゆっくりと、私の唇に触れた。


っ…!なに!?
ビクンと体が反応する。

何がなんだかわけがわからず…心はパニック状態。


そして、佐野くんはその指をペロリと舐めた。

っ…!
驚きすぎて、何も言葉が出ない。

まわりのみんなも呆気にとられ、黙りこんだまま。


「ごめん。驚いた?クリームついてたから」

……クリーム?


あまりにも突然の出来事に、まだいまいち状況を理解できなくて…目をぱちぱちさせる。


「高野さん、顔真っ赤」

そう言って、おかしそうに笑う佐野くん。
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