True Love
「あれはこれから街に遊びに行くんだね」

「うん…」

自分の声の暗さに、自分でもビックリした。
私、どれだけ落ち込んでるんだろう…。


「ああやって毎日のように夜遊びしてんのかな?」

「そう、かもね…」

佐野くんは、そういう人だ。
前からわかっていたことなのに。

それなのに私、何泣きそうになってるんだろう…。

バカみたい…。


「それにしてもさっきの女、私服派手すぎ!スカート短すぎてパンツ見えそうだったし!メイクもケバいし、あんなののどこが良いんだろ」

吐き捨てるようにそう言うと、千晶ちゃんは大きなため息をついた。


「ってか佐野の私服姿初めて見たかも。なんか私服になるとめっちゃ大人っぽいね」

ほんとに、いつもの何十倍もかっこよく見えた。


そのせいなのか余計に胸が苦しい。

やっぱり、私なんかにはとてもじゃないけど…手が届く気がしなくて…。

佐野くんと全く正反対の自分が嫌になる。
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