True Love
もうしばらくすると、女の子も着替えを済ませ出てきた。

満面の笑みで佐野くんの腕に絡み付く。


「うわぁ…」

千晶ちゃんが顔を歪める。


べったりとくっつく女の子に、佐野くんは笑顔を向け頭を撫でてあげている。

やだ…。
苦しい。泣きそう…。

見ていられなくて、二人から目をそらす。


「未来、行くよ」

「…」

見ていたくない…。


そう思いながらも、私の足は自然と前へと歩き出していた。
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