True Love
「みーらーい。さっきからずっと佐野のこと見てるね」

「えっ…そんなこと」

「まさか、好きになっちゃった!?」

「違っ…!」

千晶ちゃんにからかわれ、頬が熱くなる。

ちょっと話しただけで好きとか…人を好きになるってそんな簡単なことじゃないと思う。

そんなことを思いつつまた佐野くんに視線を向けると、目が合った。


「…っ!」

慌てて目をそらす。

ビックリした…。
心臓がバクバクいってる。


…もう一度、そっと佐野くんを見ると、まだ佐野くんはこっちを見ていた。

フッと薄く微笑む佐野くん。

なんてキレイに笑う人なんだろう。
余裕の笑みに、更に頬が熱くなる。


「ぶっ!立川、全然相手にされてないし。ウケル」

千晶ちゃんの声に、私は佐野くんから目をそらした。


「女子はみんな佐野目当てだからね〜。立川、可哀想」

「そうだね…」

ぼんやりと返事をする。
頬の熱はしばらく冷めてくれそうにない。
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