【完】うしろの席のオオカミさん
なんで。
なんで放課後までこの男と2人で教室にいなくちゃならないのだろう。
なんでこの男と週番なの……
一学期の時は日誌も仕事も全部私に押しつけてたくせに……どしたの?いきなり。
「……大上くんさ、帰っていいよ?日誌ならわたしが書くから」
日誌の上にふっとできた影。
不思議に思い顔を上げてみると目の前には大上郁磨のドアップが。
少し動けば鼻の先がぶつかっちゃいそうなぐらい。
わたしは息を止めてしまった。