【完】うしろの席のオオカミさん



「……コンタクトしてる?」



大上くんの問いかけにわたしはまばたきを数回繰り返す。


なんでわたしたちこんな距離で見つめ合ってるわけ?


ていうか……もう無理かも。
酸素不足に陥りそう。



「顔赤いけど平気?」



握っていたシャーペンが手から滑り落ちるように床に転がった。


頬に触れられた手を反射的に払う。



顔が赤くなったのはずっと息を止めていたから。


あまり認めたくないけどこの男……整いすぎてるよ顔が。


ホント世の中不公平。



「しゃ、シャーペン踏んでる」

「あ?」




< 11 / 266 >

この作品をシェア

pagetop