【完】うしろの席のオオカミさん
「……コンタクトしてる?」
大上くんの問いかけにわたしはまばたきを数回繰り返す。
なんでわたしたちこんな距離で見つめ合ってるわけ?
ていうか……もう無理かも。
酸素不足に陥りそう。
「顔赤いけど平気?」
握っていたシャーペンが手から滑り落ちるように床に転がった。
頬に触れられた手を反射的に払う。
顔が赤くなったのはずっと息を止めていたから。
あまり認めたくないけどこの男……整いすぎてるよ顔が。
ホント世の中不公平。
「しゃ、シャーペン踏んでる」
「あ?」