【完】うしろの席のオオカミさん
だって!だって!!
この男がなんか意味不明なこと言うから!
「模試の結果、見えちゃったんだよね。
日向子チャンの」
なんですって……
後ろの席ってそんなに見えるんだ…
ガーンという音がどこから聞こえてきそうなぐらいに今のわたしはすごく暗いと思う。
「俺、あの大学が第一志望なんだよね」
大上くんはそんなわたしには気づかないで言葉を続けた。
ウソでしょ……
わたしもそこ第一志望なんですケド。
大学行きたいとか思ってたんだ……へえ。
「てか、なんであそこなの?もっと上狙えるんじゃねーの?頭イイんでしょ、君」
「行きたい学部があるから」