【完】うしろの席のオオカミさん
♯3
気持ち、気づかないフリ
冬休みが明けて学校が始まった。
卒業までのカウントダウンが始まる。
受験はもうすぐそこまでやってきている。
ガヤガヤと賑わう教室の中、わたしはぼーっと自分の席に座って莉乃ちゃんと愛華ちゃんが登校してくるのを待った。
うるさくない程度に騒がしい教室。
心地いい場所。
もうすぐでお別れなんて……寂しいよ。
「おーはよっ!日向子」
「ひなちゃん、おはよう」
ぼーっとしてた頭がこっちの世界に引き戻される。
大好きな人たちの声。
勢いよく顔を上げると二人はニコニコと笑顔で立っていた。
「わぁーっ!会いたかったぁ」
椅子から腰を上げて二人に抱きつく。