【完】うしろの席のオオカミさん
一週間後に開催される文化祭。
高校生活最後の大きな行事だ。
今年はウチのクラスは
お化け屋敷をやるらしい。
「ねえ、日向子」
ポンと軽く肩を叩かれ振り返った。
途端に目の前が暗くなる。
ぽすっという音と共に。
「っ?なに!?前が見えないよー」
何かを頭から被せられたらしくこもる感じがして少し暑い。
触れたそれはモフモフしていた。
けっこう大きくて重たい。
「ぷはっ……!もう、なにー!」
「あははっ、ごめんね。この熊の顔かなりリアルじゃない?」
乱れた髪を直しながら目の前に立つ2人を交互に見る。