【完】うしろの席のオオカミさん


……ん?



「んーっ……?」



思い切り引っ張ってみても開かない。

なんだこれ!
壊れちゃったのかな?


少しの間、掃除用具入れと戦っていると

さっきちりとりを取って、と言った本人がこちらに近づいてくる。



「及川さんって……力ないんだね」


「違……っ!これすんごいかたくて開かないんだよー」



苦笑いといった感じの水瀬くん。


信じられないんなら開けてみてよ!
ものすごくかたいんだからー!


最後にふんっと強く引っ張ってみる。



「……あれ、開いた…」



< 190 / 266 >

この作品をシェア

pagetop