【完】うしろの席のオオカミさん
二人がどんな表情をしているのかは見えない。
てか、わたしいつまでこうやって床に座り込んでるのよ。
早く立ち上がらなきゃ。
よいしょ、と心の中で言って重たい腰を上げようとしたが、足が痺れてしまったようで立ち上がることができない。
足を押さえて膝に額をくっつけていると
もう一つ足音が聞こえてきた。
そちらを見てみると、同じクラスの女の子がこちらに走ってきている。
「水瀬くーん!先生が呼んでるよー」
「あ、うん。分かった」
水瀬くんはその女の子と階段の方へと消えていった。
……え?え?
この場に取り残されたわたしたち。
大上くんとわたし。
気まずいな……って感じてるのはわたしだけ?