【完】うしろの席のオオカミさん


「顔寄せ合って何してたんだよ」




さっきよりも声が近くなった。


見下ろされていたのが今は同じ目線になっている。


大上くんは何を考えたのか床にドカッと座り込んだ。



廊下の端っこで。
しかも掃除用具入れの前で。


なんでわたしたち座ってるんだろうね?




「か、顔寄せ合って……って」




なんだそりゃ。
大上くんにはそう見えたのかな。


大上くんと喋るの久しぶりだな……なんて、冷静に考えてる自分がいる。




「……日向子って男子に触られても全然平気なタイプだっけ?」




目の奥が光った気がした。


な、に……?
大上くん、機嫌悪い?





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