【完】うしろの席のオオカミさん
「背中さすってくれただけ…だよ」
真っ直ぐなその視線から逃げたくなった。
そんなにじっと見つめないでほしい。
胸がざわつくんだよ。
全部、全部大上くんのせい。
もう関わらないって決めたのに……なんなの、わたし。
名前を呼ばれただけで胸がきゅっとなる。
「……もっと嫌がれよ。他の男に触らせんなよ」
頬に手が伸びてきてわたしは俯いてしまった。
鏡見なくても分かる。
わたし、絶対顔赤いもん。
大上くんはこんな反応を楽しんでるんでしょ?
わたしのことからかってそんなに楽しい?