【完】うしろの席のオオカミさん



最後のあいさつ。

教壇に立っている先生に向かってみんな深々と頭を下げて叫んだ。



「ありがとうございましたーっ!」




40人分の声が空気を振動させる。


胸が熱くなって、それと同時に鳥肌が立った。



先生は口元を手で押さえながら何度も頷いていた。


普段は強気な性格のうちの担任も今は目が潤んでいて泣きそうだ。


というか、泣いている。



それを見ていると引っ込んだはずの涙がまた溢れそうになる。




「みんなで写真撮ろう!」



ガラッとドアが開いてカメラを抱えた教頭先生が教室へと入ってきた。


< 203 / 266 >

この作品をシェア

pagetop