【完】うしろの席のオオカミさん


無駄に背ぇ高すぎ。
少しは分けてくれ。身長を。


大上くんがチラッと莉乃ちゃんと愛華ちゃんに目をやると2人は自分の持ち場に戻っていった。


ま、待ってよぉ~!
わたしを1人にしないでくださいーっ!



2人は衣装係。


わたしは看板づくり担当。


一緒に衣装係になりたかったんだけどね。
看板係が誰もいなかったからしぶしぶこっちの係りにしたんだ。



「今日、放課後図書室で勉強して帰ろうぜ」



床にベタッとあぐらをかいてわたしを見上げる大上くん。



ほ、放課後に図書室で勉強……
え、誰と誰が?




「逃げたら……どうなるかわかってるよな?」




怖すぎるんですけど。
殺される勢いだよ。



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