【完】うしろの席のオオカミさん
大上くんの背中に腕をそっとまわした。
好き。
好きだよ。
「好き」
聞きたかった言葉が
大上くんの口から発せられた。
何かがこみあげてくる。
もう、無理。
嬉しすぎて泣いちゃうよ。
「卒業おめでとう。これからまたよろしく」
ぼやけた視界に映ったのは輝いて見える金色のボタン。
手を差し出してそれを受け取る。
第二ボタン。
「ありがとう……っ!こちらこそよろしくお願いします」
くしゃっと笑うその顔を見てると自然と笑みがこぼれた。