【完】うしろの席のオオカミさん
♯4
温泉旅行、眼光鋭いオオカミ
何時間電車に揺られていただろう。
ぼーっとする頭。
フラフラした足取りで前を歩く三人に必死について行く。
「日向子ちゃん、だいじょぶー?歩けなかったら言ってね。郁磨がおぶってくれるから」
「い、いえ……けっこうです。歩けます…!」
こんなたくさんの人が行き交う道でおんぶされるなんて。
恥ずかしすぎるよ。
ていうか……いつになったら着くのさー!
朝に家を出発したはずなのに夕方になってもまだ目的地に着かないってどういうこと!