【完】うしろの席のオオカミさん


「ふーん。そんなに俺と一緒の部屋ってのが不満か」



突然立ち上がった大上くんにビクッと肩があがった。


声色だけで不機嫌さが伝わってくる。
お、大上くん……なぜにご機嫌ナナメ?



「え、えっと……一緒の部屋で嬉しいよ?」


「へえ、嬉しいんだ?」




使う言葉間違えたーっ!

なんで嬉しいって言ったのわたし。


嬉しくないってわけではないんだけど、ずっと一緒ってすごく緊張するじゃないですか。



怪しく笑う大上くんからさっと視線をそらす。




「行くか」



コクッと頷いて大上くんの後ろを歩いた。



あー……同じ部屋かぁ…


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