【完】うしろの席のオオカミさん


「……部屋で休んでる。大上くん一人で散歩行けば」



大上くんの横を通り抜け部屋の中へと入る。


冷たい言い方に聞こえちゃったかな。

まぁ、別にいいか…



部屋の隅に置かれたバッグが目に入る。

二泊三日ということで荷物は少なめ。
お姉ちゃんはけっこう大荷物だったけど…



「なんでいきなり不機嫌になってんだよ」


「なってません」



バッグから洗顔道具やタオル等を取り出す。


背後に立つ大上くんの方には振り返らない。




「嫉妬ですか、日向子チャン」




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