【完】うしろの席のオオカミさん



朝、普通におはよう、と挨拶を交わして。


朝食を食べ終え、部屋で出かける準備をしていると大上くんが戻ってきた。



謝るなら今だよね…?


わたしが口を開く前に大上くんが言った。




「おすすめ観光場所聞いてきたから、そこ行こうぜ」


「あ、うん。けっこう遠い?」


「バス使って行けるらしい。昨日の仲居さんに聞いたらすげー親切にいろいろ教えてくれたわ」




昨日の仲居さんって…
あぁ、“可愛いヒト”ね。



「親切な仲居さんだね!
わたしも後でお話してみたいなぁ」



ニコッと笑って大上くんに顔を向ける。



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