【完】うしろの席のオオカミさん
大上くんもわたしもまだ浴衣のまま。
寝るときはしわがついちゃうと思って昨日は部屋着に着替えたけど、今日はこのまま寝ちゃおうかな。
明日の朝には帰るんだしもう着ないからね。
「ねぇ、俺まだ全然眠くねーんだけど」
自分の布団の上にあぐらをかく大上くん。
何をするのかと思えばわたしの髪を引っ張って遊び始めた。
「そっかぁ…元気だねー……」
目をつむったらもう五分もしないうちに寝付ける自信あるよ。うん。
「なぁ、昨日の夜中さ、変な音したよな。
あれってさぁ……」
大上くんはそこで言葉を切って窓の方に視線を移した。
ちょ、ちょっと……っ!
そういうのやめてよね!?