【完】うしろの席のオオカミさん
「ここいるんじゃねーの?」
「嫌だ嫌だ嫌だーっ!やめてよ、そういうのっ」
お化けとかそういう類、ダメなんだから!
あぁ、もう眠気が一気に飛んでしまった。
「ははっ、おまえリアクションいいな」
どこがそんなにおもしろかったのか全くわからないんだけど…
お腹を抱えて大笑いする大上くんにわたしは冷めた目を向けた。
またからかわれた!
もうっ!ホントに怖いんだからね。
「大上くんのせいで眠気吹っ飛んだ……」
「おー、それはよかった」
枕に顔を埋めているとぽん、と頭に重みが乗っかった。
大上くんの手って分かりやすい。
大きいのに指は細くて綺麗なんだ。