【完】うしろの席のオオカミさん
「ウチのクラスお化け屋敷やったよなー。あれ、入った?」
「入るわけないでしょ。でも好評だったよねわたしたちのクラスのお化け屋敷」
重たい身体を起こして大上くんと向き合うように座った。
文化祭かぁ…昨年のことだよね。
すごく懐かしいなぁ。
「丈の短すぎる浴衣には驚いたよ。すごい恥ずかしかった」
思い出したらさらに恥ずかしくなってきた。
熱くなる顔を手で仰ぎながら部屋のあちらこちらに視線を泳がせる。
あれ……静かになっちゃった。
どうしたのだろうと思い、視線を向けるとハッと我に返ったような表情をする大上くんが見れた。