【完】うしろの席のオオカミさん
小さく頭を下げると仲居さんはニコッと微笑んでわたしの肩に手を軽く添えた。
目の前には微笑む美女。
ドキドキしない方がおかしい。
「お幸せに。またいらしてくださいね」
「あ、はい。また…来ます!」
仕草一つ一つが上品だ。
綺麗に笑う人だなぁー……
あんな素敵な女性憧れちゃうな。
ぼんやりと廊下を歩いているといきなり肩にドンッと後ろから誰かがぶつかってきた。
右手にあったバッグが手から落ちる。
「のんびり歩いてんなよ。ご飯ゆっくり食べられねーぞ」