【完】うしろの席のオオカミさん
「今のウソ。彼女はいねぇけど好きな奴はいるっぽい」
「好きな人……」
なんでそんないらないウソついたんだか。
好きな人も彼女も一緒だよ。
あーあ…なにもしないで終わっちゃったな。
これは恋だったのか?
そんな疑問も浮かんでくる。
「水瀬の好きな奴、誰か気になる?」
「あまり気にならない」
半分嘘で半分本当。
誰だか気になるけどそこまで気にもならない。
どちらかといえば、気にならない。
あれ?
なんかわたしすごい冷めてるみたいじゃない?
「好きな人と、気になる人は違うものだよな」
大上くんはいきなりそんなことを言い出した。
なんの話だろうか。
てか、なんでわたしこの人と恋愛の話してるんだろうか。