【完】うしろの席のオオカミさん
「はっ……お堅いねー。つまんねぇ女」
そう吐き捨て教室の方へと戻ってゆくその背中を睨みつけた。
なに?なんなの!あのチャラ男!!
キスってそんな簡単にできちゃうもんなの?
あんたにとってはキスのひとつぐらいどうってことないんだろうけどわたしにとっては…っ!
夏休みが明けてまだ一週間。
高校卒業まであと半分くらい。
平凡な毎日を送っていたわたし。
このまま卒業までのんびりした学校生活を送れるのだろうと思っていた。
────この男に振り回されるはめになるなんて。
まさか、わたしがね。
そんなこと
予想できるわけないでしょ?