神様が泣いたあと



時がきた、と抽象的な表現が脳裏をよぎったその瞬間にあのころの柔らかな笑顔を思い出す。


そのとき、灰色の雲が一斉に消えて、澄み切った青空が見えてきた。


何かが始まって
何かが終わる。


あたしはいつのまにか
背が伸びて
胸が膨らんで
進路を選んで
汗水流して働いて
そしていつかは誰かと結婚するかもしれない。

その途中で今ここにいる。


そういうことだ。


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