神様が泣いたあと


原田さんの優しくて切ない微笑みが胸に焼き付いて、ジリジリと痛んだ。

「さ、そろそろ昼休み終わっちゃうね。かえろっか」

「……あ…。うん」


哲の闇っていったい何だろう?

闇というものはその暗さから自分の存在が消えてしまいになる。
どこにいるかさえも分からなくなって、すごく心細いよな。

人と打ち解けることが苦手だった俺の闇は全部、哲が払いのけてくれたから。


だから

たとえ哲がどんなに深い闇に落ちていたとしても
救い出すのはこの手でありたいと願うよ。


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