神様が泣いたあと
安心した矢先に、哲が激しく咳込みだした。
「ゲホッ、ゲホッ」
「哲?!大丈夫か?!今、先生呼んでくるから!」
走りだそうとした俺の手を哲が力強く掴んだ。
「いい!呼びにいかなくていいから…!」
苦しげな声が俺を引き留める。
額から頬へと汗流れている。すごい熱があるのかもしれない。
俺は今すぐにでも先生を呼びに生きたかったけれど、哲の強い眼差しに足が動かなかった。
「……翼も、もう教室戻れ。授業始まってるぞ」
ダルそうに腕を眼にあてて、荒い息をしながら哲は呟いた。
「……いい。ここにいる…」