神様が泣いたあと


あたしは廊下の壁にもたれ、声を殺し泣いた。


いくつもの思い出が


あとからあとから溢れてきて、どれも大切で手放したくなくて

そのとき

あたしは翼くんが大切だけど、同時に哲ちゃんも大切だったんだとわかった。


愛しくて大切な思い出たち。


せめて今だけは泣かして。

あの頃のあたしでいさせて。


もう頭を撫でてくれる人はいないけど。



今度は自分の力で立ち上がるから。


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