神様が泣いたあと
痛い。
胸が苦しい。
「で?!そのあとどーしたの?!」
そうだよな。
女の子は普通にクッキー渡したり
デートに誘ったりしても普通で
普通だから……。
「べ……べつに何もねーよ!」
「えー?!付き合ったりしないのー?!」
「別に告られたわけじゃないし!」
哲と美優の声が遠く聞こえる。
耳のずっと奥で響いてる。
俺だけが世界の隅に追いやられたみたいだ。
「鈍感だなー哲くんは!女の子はそれが好きってことなんだよ!ね、翼?!」
美優の言葉に、精一杯笑ってみせる。
うまく笑えたかな、俺。