神様が泣いたあと


初めて入った学校の図書室は木の匂いがした。

あたりを見渡すが誰もいないようだ。

俺はしのびこむように中に入る。

木造の本棚にきちんと並べられた本の背表紙を丁寧に眺めて一冊の精神医学の専門書をとりだす。

表紙にかぶった埃を払いのけてページをめくると、目眩をおこした。


訳の分からない単語。
読めない漢字。
小さな文字と長ったらしい文章。



頭がパンクしてしまいそうだ。

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