久遠の剣客
「中に入って待ってていいそうよ!!」
受話器を置いた母親の声に頷きひとまず自分の上履きに履き替えて稽古場へと向かう‥。
私がわずか物心ついた頃から通い始め二胡を習った稽古場だ。
中国風の木材の見事な椅子にこしかけお香をたいたり雰囲気も普段は‥‥バッチリなんだけど今日は稽古場が休みという事もあり自分でお香焚いたり‥お茶入れたりしてる間に中年男性の人が稽古場に入ってきた。
「先生―――。
いつもお世話になっております。 」
母親と一緒に現れたこの音楽塾の先生に挨拶した。