久遠の剣客


 本来、ここに来るのは…私の兄が来るはずだった。



 …しかし、兄には大事な家族ができたばかりだ…。



 何もむざむざ殺されにくる事もない…。


 家族と離れて知らない土地に行くのは寂しい。



 でもサヨナラをいう事も出来ないまま戦に巻き込まれて…死ぬよりはサヨナラをいえた事はこの時代では極めて幸運な事だ…。



 ――私は50も離れた爺さんの嫁になる気などない…。



 兄は私が1人露頭に迷うならと気を利かしてくれたのかもしれないけど‥自分の人生くらい自分で決めたい…。





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