久遠の剣客


無我夢中で階段を駆け下りた先に先生達に囲まれた彼女の姿を見つける。


「劉 久遠さんよね?」


彼女も階段を駆け下りてきた私に気づき名前を呼んだ。


いつになく自信に満ちた様子なのに…不思議とくもりがかったようになぜだか見える。


歩みをすすめ私の前で足をとめた。



「はじめまして…。

眞夜未 単衣です。


“幻の二胡”の演奏者候補として一足先に挨拶にきたの。」


愛らしい笑顔を浮かべクリッとした目と濡れるように長い睫毛が印象的で肌は白く魅力的に私の目にはうつる。
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