久遠の剣客
呑気なママに私の悲痛な想いは届くはずもなく朝っぱらからインターホンの音を不快に感じつつ階段を駆け上がったらなんと2階の窓から脱走者が…………と同時に玄関先から黄色いママの声が甲高く聞こえて来た。
「―――――。」
思いっきり嫌な予感しまくりで制服に着替えダイニングまでくるといきなり眠そうなパパが新聞を盾にしながら私の前に座った。
「―――久遠!!
あのお友達は…?」
ママに追い出されたのかなんなのかしらないけど寝癖つけながらダイニングに追いやられたのかなんなのか奥歯に物を挟んだ言い方してきた。