久遠の剣客
――サガシテル……!!
――探してる?
風が窓ガラスを叩きつけながら私に告げる。
――ヒ…ト…ツキノタミノツカイ…。
――日と月の民の使い…??
ズキズキする頭を押さえ窓ガラスを叩く声に問いかけるけれど同じ言葉だけを繰り返し告げながらすぎてゆく…。
―――待って……!!
しかし繰り返す声も風の強さと弱まりだんだん小さくなってきたのに私は窓ガラスに近づき空を見上げた。
風はただ闇雲に草や葉を空に巻き上げて吹き抜けていった。